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車速検出装置の調整

車に搭載する前にドアロック信号を調節します。電源（＋１２Ｖ）を接続し、ドアロック･コントロール・ソレノイドをつなぐ線をアース線に接続したり、切ったりします。
切った時にＲＬ３とＲＬ４が動作し、約１秒後にＲＬ４が切れるようにＶＲ２を調節します。

この調整は車に搭載して調節します。
ＶＲ１を調整して、車の速度が１０Ｋｍ／ＨでリレーＲＬ１が動作するように調節します。
厳密に設定する必要はないと思います。低速度の検出の場合、電圧平滑回路が十分には働かないため、検出速度でリレーが少しバタつきますが、あまり気にする必要はないと思います。

ドアロック速度の調節と同様に行います。
ＶＲ３を調節して、車の速度が４０Ｋｍ／ＨでリレーＲＬ５が動作するように調節します。
これも厳密に設定する必要はないと思います。

車速パルスの周波数は車種によって違うようです。
基本的には２パルス方式と４パルス方式があるようです。
自分の車がどちらの方式かは普通は分からないと思います。
私も自分の車（昭和６０年製のカリーナＥＤ）がどちらの方式かは知りません。
周波数カウンタで測定すると時速４０Ｋｍで約３０Ｈｚでした。
ですから、速度検出の設定はＶＲ１またはＶＲ３で行うようにしています。
ただ、上記のようにパルスの数が２倍違うと速度検出の設定が回路図で紹介している値では出来ないかも知れません。

Ｒ１５の計算

Ｒ１５は速度１０Ｋｍ／Ｈの検出回路でのＶＲ１による検出電圧の設定範囲を決めるためのものです。
Ｒ１５は０Ω（短絡）でも良いのですが、その場合ＶＲ１での電圧設定範囲が０Ｖ〜６Ｖ位までになります。
実際にＶＲ１で設定する電圧は約０．７Ｖ前後ですので、ＶＲ１を少し動かしただけで設定が大きく変わってしまい、調整しずらくなります。
そこでＲ１５を入れてＶＲ１で変化出来る範囲を狭くして設定し易くするわけです。

例えばＶＲ１での電圧範囲を０Ｖ〜１．２Ｖ位にするためには以下のように計算します。
ＶＲ１に１．２Ｖが加わる時の電流　：　１．２^Ｖ ÷ １^ＫΩ ＝ １．２ｍＡ
Ｒ１５にかける電圧　：　６^Ｖ − １．２^Ｖ ＝ ４．８Ｖ
Ｒ１５の抵抗値　：　４．８^Ｖ ÷ １．２^ｍＡ ＝ ４ＫΩ

抵抗器の抵抗値は飛び飛びですので、回路図ではＲ１５として３．３^ＫΩを使用しています。
この場合、ＶＲ１に加わる電圧は６^Ｖ ÷ （３．３^ＫΩ ＋ １^ＫΩ） ＝ １．４Ｖとなり、
ＶＲ１での設定範囲は ０Ｖ 〜 １．４Ｖ になります。

また、Ｄ６のツェナーダイオードの電圧は部品のバラツキで一定となる電圧が若干異なる場合があります。
実際に製作したものでは５．４Ｖでした。
ですから製作したものでのＶＲ１電圧設定範囲は ０Ｖ 〜 １．２６Ｖ位になっています。

Ｒ２６およびＲ２７の計算

Ｒ２６およびＲ２７は速度４０Ｋｍ／Ｈの検出回路でのＶＲ３による検出電圧の設定範囲を決めるためのものです。
ＶＲ３による設定範囲を１．２Ｖ〜２Ｖにするための計算を以下に示します。
まず、Ｒ２７を計算します。
ＶＲ３に０．８Ｖ（２^Ｖ−１．２^Ｖ）が加わる時の電流　：　０．８^Ｖ ÷ １^ＫΩ ＝ ０．８ｍＡ
Ｒ２７の抵抗値　：　１．２^Ｖ ÷ ０．８^ｍＡ ＝ １．５ＫΩ
Ｒ２６にかける電圧　：　６^Ｖ − ２^Ｖ ＝ ４Ｖ
Ｒ２６の抵抗値　：　４^Ｖ ÷ ０．８^ｍＡ ＝ ５ＫΩ

回路図で示したＲ２６として４．７ＫΩ、Ｒ２７として１．５ＫΩとした場合の設定範囲は以下のようになります。
Ｒ２６、ＶＲ３、Ｒ２７に流れる電流　：　６^Ｖ ÷ （４．７^ＫΩ ＋ １^ＫΩ ＋ １．５^ＫΩ） ＝ ０．８３ｍＡ
Ｒ２７の電圧　：　１．５^ｋΩ × ０．８３^ｍＡ　＝　１．２５Ｖ
Ｒ２７＋ＶＲ３の電圧　：　（１．５^ＫΩ ＋ １^ＫΩ） × ０．８３^ｍＡ ＝ ２．１Ｖ
ですからＶＲ３での電圧設定範囲は１．２５Ｖ 〜 ２．１Ｖとなります。

Ｄ６の電圧が５．４Ｖの場合のはＶＲ３の設定範囲は１．１３Ｖ 〜 １．８８Ｖ位となります。

製作品での車速−電圧変化（カリーナＥＤに搭載した場合）

装置に入力される車速パルスの周波数とＩＣ１（２／２）の４番ピンの電圧変化は以下のようになりました。