目次EAGLEインデックス(1)


パターン図作成のテクニック (7)

配線基準の設定

パターンを作成するときの基本的な条件をDRC(Design Rule Check)で設定する必要があります。DRCは規定値として一般的に使う値が既に設定されていますが、主要な項目は確認することをお勧めします。

配線基準の設定はDRCアイコンを押すと、以下のようなダイアログが表示されます。
最初はイーグルの規定値(デフォルト)が設定されているDRC(default)が表示されます。



配線間隔 ( Clearance )

    Clearanceタグでは配線(Wire)、部品取付端子(Pad)、中継スルーホール(Via)などの配線間隔を指定します。Different Signalsに表示されている各項目の値が設定値になります。デフォルトでは 8mil に設定されています。1mil は1/1000インチ、1インチは25.4mmですから 8mil は約 0.2mmです。この値は最小の配線間隔で最接近する配線でも 8mil を確保するという値です。8mil 間隔で配線されるということではありません。プリント基板を自作される場合にはもう少し大きな値に設定したほうが良いと思います。16mil とか。

上図はWireとPad間の項目を選択した場合です。どの部分の値かが図で表示されます。

パターン位置 ( Distance )

    Distanceタグではプリント基板の端と配線パターンと間隔、ドリル穴間の間隔などの最小値を指定します。40mil は約 1mmです。
配線幅、ドリルサイズ ( Sizes )

    Sizesタグでは配線パターンの最小幅、ドリル穴の最小サイズを指定します。10mil は約 0.25mmです。
    回路図の作成でNet classesを使用して配線する場合、Defaultクラスの値にはここで設定されている値が使用されます。
部品取付パッドサイズ ( Restring )

    Restringとは部品取付用パッドの穴以外の部分サイズのことで、部品取付のときにハンダ付けをする部分のサイズです。
    ライブラリ等で指定されている部品のパッドの大きさがRestringで設定する値より大きい場合、Restringで設定する値は適用されません。Restringで設定する値よりライブラリ等で指定されているサイズが小さい場合、Restringで設定する値が適用されます。ですから、Restringではパッドの大きさの最小値を指定することになります。

    Min, %および Maxの関係は次のようになります。Min を Max より大きな値にはできません。
    例 ( ドリル径:32mil、パッド径:64mil の場合。この場合、Restring値は(64-32)/2=16mil )
    Min=20mil, %=300, Max=20mil とした場合、Restring値は 20mil になります。%が大きな値でもMax値の 20mil 以上にはなりません。
    Min=1mil, %=70, Max=200mil とした場合、Restring値は 22.4mil になります。ドリル径(32mil)×0.7=22.4mil。Minが小さい値でも%での値のほうが大きいのでそちらが使われます。
    Min=20mil, %=0, Max=200mil とした場合、Restring値は 20mil になります。%が0でもMinの値のほうが大きいのでそちらが使われます。

    Innerは多層プリント基板のための設定で、単層または2層のプリント基板の場合には関係ありません。
その他の指定 ( Shapes, Supply, Masks, Misc )

上記以外の設定項目としてShapes, Supply, Masks, Misc がありますが、基本的にはデフォルトのままで問題ないと思います。必要に応じて各自使いこなしてください。
    Shapes:部品取付用パッドの角の形についての指定です。
    Supply:電源供給用のパッドについての指定です。
    Masks:ハンダ付け用のソルダレジストマスクについての指定です。
    Misc:DRCの動作についての指定です。

設定の保存 ( File )


DRCの設定を変更した場合、設定値をファイルに保存して、他のプロジェクトなどに使用することができます。
ファイルの拡張子はdruで、標準ではEAGLEのインストールフォルダ配下のdruフォルダに格納されます。格納先フォルダを変更することもできます。
作成したファイルを読み込むためにはLoadボタンを使用します。