目次電子回路工作素材集デジタル・ダイアルデジタル・ダイアル 回路説明

Dタイプ-フリップ・フロップの動作説明



D(Delay)タイプ フリップ・フロップはクロック(CK)がLからHに変化した時にD端子の入力状態を出力(Q)に出力するフリップ・フロップです。
Dの入力状態がCKまで遅れてQに出力されるので、Delay(遅延)タイプと呼ばれているのだと思います。
等価回路は3つのSR(セット・リセット)FFにより構成されています。

D−FFの等価回路


以下の説明で数字の1から6はNANDゲート1からNANDゲート6をそれぞれ表します。

1、2で構成するSR−FFはD端子がLからHに変化したときの状態を保持するためのFFです。
3、4はD端子がHからLに変化したときの状態を保持するためのFFです。
5、6は出力( Q 、 )の状態を保持するためのFFです。
2の出力と3の入力が接続されているのは、5、6の入力が両方ともL状態となることを防止するためのものです。
2および3の入力にはクロック(CK)が接続されています。
2、3はCKがLからHに変化したときにDの状態(2、3の出力状態)を出力保持用FF(5、6)に伝えるためのゲートの役割があります。

2、4および6にはクリア(CLR)入力が接続されており、CLRがLの時に Q をL状態、 をH状態に強制設定します。
1および5にはプリセット(PR)の入力が接続されており、PRがLの時に Q をH状態、 をL状態に強制設定します。

今回の回路ではPRは使用しないので、H状態に固定しています。

SR−FFの動作

SR−FFはS(セット)端子がLになると Q がHになり、R(リセット)端子がLになると Q がLになるフリップ・フロップです。

SまたはRがLからHに変化しても Q の状態は保持されています。
SとRの両方がLになると、 Q も も両方ともHになってしまいます。

この回路は機械式スイッチのチャッタリング防止にも使われます。
一度SまたはRがL状態となると、その後、H状態になっても出力の状態は変化しないからです。

チャッタリング防止回路






D−FFの動作説明

    Dが「L」、CKが「L」の場合

DがLなので4の出力はHです。
4の出力は1の入力になっていて、1の上側の入力はHになります。
CKがLなので、2の出力はHであり、1の入力は両方ともHになり、1の出力はLになります。
2、3の出力はCKがLなので、両方ともHです。

5、6の出力の状態はこの時点では不定ですが、ICの内部で電源投入時は Q をL状態、 をH状態に初期化しているようです。





    Dが「H」、CKが「L」の場合

DがHになると、4の入力は両方ともHになり、4の出力はLになります。
4の出力は1の入力に伝わり、1の出力はHに変化します。

CKがLなので2および3の出力は変化せず、 Q および の変化はありません。





    Dが「H」、CKが「H」の場合

DがHのときにCKがHになると、2の入力が両方ともHになり、2の出力はLになります。
3の出力は4の出力がLであるため、Hのままです。

2の出力がLとなることにより、5の出力はHになり、 Q はLからH状態に変化します。 また、5の出力がHとなることにより、6の入力は両方ともHになり、6の出力はL、 の出力はHからL状態に変化します。





    上記変化の後、Dが「L」になった場合

4の入力の下側がLになり、4の出力はHになります。
それにより、3の入力の下側はHになりますが、2の出力がLであるため、3の出力はHのままです。
4の出力のH状態は1に伝わりますが、2の出力がLであるので、1の出力はHのままになります。
すなわち、CKがL状態にならないとDの変化は Q の変化に影響を与えません。
CKがLになると、2の出力はHになります。
DがLであると、1の入力は両方ともHになり、1の出力はLになります。2の出力がHになっても5、6の出力は変化しません。





    Dが「L」、CKが「H」の場合

CKがHになると、3の入力は全てHになり、3の出力はLになります。

3の出力がLとなることにより、6の出力はHになり、 はLからH状態に変化します。 また、6の出力がHとなることにより、5の入力は両方ともHになり、5の出力はL、 Q はHからL状態に変化します。





    上記変化の後、Dが「H」になった場合

4の入力の下側がHになりますが、3の出力がLであるため、4の出力はHのままです。
すなわち、CKがL状態にならないとDの変化は Q の変化に影響を与えません。
CKがLになると、3の出力はHになります。
DがHであると、4の入力は両方ともHになり、4の出力はLになります。
3の出力はCKがLになった時点でHになっており変化しません。
4の出力のL状態は1の入力に伝わり、1の出力はHになります。
CKがLになった時点で2の下側の入力はLであり、2の出力はHのまま変化しません。




以上の説明のように、D−FFはCKがLからHに変化した時点のみ、入力(D)の状態を Q 、 に出力するように機能します。