目次事例集安定化電源装置レギュレータ


スイッチング・レギュレータ 性能測定
(HPH12002M)



使用可能な出力範囲

電源装置から取り出す出力を徐々に大きくする(負荷抵抗値を下げる)と、一定の電圧を維持できない状態になります。
下の図は各々の電圧で安定した電圧を維持できる限界を表しています。(目安)
例えば、
5Vの電圧設定の場合、出力電流として4Aを流しても、安定した電圧を供給することができます。
5Vでは4A以上の電流を流しても安定した電圧を維持できますが、レギュレータICの仕様を越えているので使わない方が安全です。
20Vの電圧設定の場合、出力電流として約2.8Aが最大電流になります。

出力電圧が高くなると流せる最大出力電流が減少していますが、これは入力電圧の低下による影響が大きな要素です。入力電圧を高くする場合には、無負荷時の電圧がレギュレータの最大入力電圧(40V)を越えないように注意する必要があります。





出力特性

出力特性は出力電圧の設定値により変化します。
以下に代表例として出力電圧を5V、10Vおよび20Vに設定した場合の出力特性を示します。








温度上昇

スイッチング・レギュレータの場合、リニア・レギュレータと違いレギュレータ自体の損失は出力電力によって大きく変化することはありません。
今回の測定では負荷抵抗器(5Ω 100W)の関係で出力電圧18Vで出力電流3.6A(65W)の条件でレギュレータの温度上昇を測定しました。このときのレギュレータ損失は約10Wです。(片方のレギュレータで5Wづつ)
測定はレギュレータの上部(今回はレギュレータのプリント基板を垂直に実装してるので、レギュレータ自体の放熱器の上部)に熱電対温度計のセンサーを取り付けました。実際の使用状況と同じにするため電源装置の蓋を付けた状態で測定しました。

当初はファンは付けませんでした。その場合、レギュレータの温度は許容値(80℃)を越えてしまいました。そこで、ケースの背面にファンを取り付けることにより連続して使用してもレギュレータの温度を許容値以下にすることができています。
80℃は動作周囲温度の上限ですので、この温度を超えてもレギュレータは直ぐには壊れません。念のためにファンを付けました。







脈流

スイッチング・レギュレータでは出力にスイッチング動作による脈流が現れます。
今回の回路では、低ESRのコンデンサを並列接続し、二次フィルタを使用しているのですが、出力電力が大きい場合にはかなりの脈流が出ます。外付けで330μHのコイルおよび1000μFのコンデンサによるフィルタを追加してみましたが、期待した効果はありませんでした。むしろ、10Vの場合脈流は増えました。フィルタの値が良くないのかも知れません。

以下の写真は無負荷状態と5Ωの負荷抵抗器を接続して出力端子での脈流電圧を観測したものです。
Vout = 30V 無負荷
脈流 = 30mVp-p (0.1%)
Vout = 5V RL = 5Ω
脈流 = 20mVp-p (0.4%)
Vout = 10V RL = 5Ω
脈流 = 160mVp-p (1.6%)
Vout = 18V RL = 5Ω
脈流 = 5Vp-p (28%)

Vout =18V の時の測定レンジは他の写真に対して100倍の測定レンジです。
波形が太く見えるのは、電圧が細かく変動しているためです。