目次PIC入門


MPLAB Ver6.50 の操作



Microchip社のMPLABツールは順次新しいバージョンがリリースされています。MPLAB Ver5 とVer6では操作方法が異なっています。
ここでは2004年5月時点の MPLAB Ver6.50 の基本的な操作について紹介します。
Ver5 と Ver6 の機能差は説明していません。


説明の前提 ソフトウェアの起動

ここでは「飾りランプ制御回路」で使用した同期信号検出用ソフトを例にしています。

フォルダの構造は上の図のように test1 というフォルダにソースファイルが格納されている前提で説明しています。

MPLABを起動するとこのような画面が表示されます。

新規プロジェクトの作成

New Project アイコンをクリックして新規のプロジェクトを作成します。

New Project のダイアログが表示されるので、プロジェクト名およびプロジェクトを格納するディレクトリを指定します。

プロジェクトのファイル一覧が表示されます。この時点では、まだ、必要なファイルは作られていません。

Source Files を選択し、マウスの右ボタンをクリックするとメニューが表示されます。
Add Files をクリックします。

ソースファイルを選択して「開く」ボタンを押します。

ソースファイルがプロジェクトに組み込まれました。

プロジェクトの設定

Build Options アイコンをクリックしてプロジェクトの条件を設定します。

General タブの中の Output Directory と Intermediates Directory を設定します。
私はソースファイルと同じ場所にしました。


次に MPASM Assembler タブをクリックし、Disable case sensitivity にチェックマークを付けます。
私のソースコードは小文字で書いていますが、標準ラベル定義の INC ファイルは大文字で書かれています。
この設定は大文字/小文字の区別をさせないようにするためです。
私のソースファイルをアッセンブルする場合には必須の設定です。

デバイスの選択

メニューの Configure をクリックし、 Select Device で使用するデバイスを選択します。

今回は PIC16F628 を選択しています。

アッセンブル操作

プロジェクトファイル一覧でソースファイルをダブルクリックしてソースファイルを開きます。

Make アイコンをクリックするとアッセンブルが開始されます。

アッセンブルの状況はバーグラフで表示されます。

エラーがある場合にはバーが赤くなります。

アッセンブルが終了すると Output メッセージが表示されます。
左記はアッセンブルが正常に終了した状態です。
エラーがある場合にはエラー内容が表示されます。

正常の場合には Output Directory にHEXファイルが作られています。

最初の行にはソースコードが古いタイプであることを表示していますが、問題はありません。

アッセンブルリストの表示
アッセンブルした結果でプログラムメモリの使用量を確認するためにはアッセンブルリストを表示する必要があります。

Open File アイコンをクリックし、ファイルの種別で *.lst を選択し、アッセンブルリストを開きます。

アッセンブルリストの最終行当たりにメモリの使用状態が表示されています。
今回の場合には以下のように表示されています。
Program Memory Words Used: 91
Program Memory Words Free: 1957
使用メモリが91ワード、空きメモりが1957ワードです。

デバッガーの設定
アッセンブルしたプログラムの動作確認をするためにデバッガーを使用します。

メニューバーで Debugger -> Select Tool -> MPLAB SIM を選択するとMPLABのシミュレータを使うことができます。

アイコンバーにデバッグ用のアイコンが追加されます。
Runブレークポイントの位置または Halt(停止)まで処理を実行する
Halt処理を停止する
Animateリスト上で処理の順番が分かる
Step Into無条件に1ステップづつ実行する
Step Over サブルーチンにジャンプするCall文があった場合、サブルーチンから戻った場所で停止する。
サブルーチンの処理をステップ毎にチェックする必要が無いときに便利
Step Outサブルーチンから抜けてメインに戻って停止する
Reset実行番地を0000に初期化する