目次PIC入門


PICとは




PICは周辺装置を制御するために開発されたIC


PIC(Peripheral Interface Controller:周辺機器接続制御用IC)とは元々メインのCPUの機能を分散して周辺機器の制御を行うために開発されたICです。
人間に例えると頭脳がメインCPUで自律神経に相当する部分をPICが行うと言うことでしょうか。





PICは小さなコンピューター


PICにもCPUと同じように演算処理機能があり、メモリーも持っていて、ソフトウェアで制御します。
しかし、処理能力、メモリ容量は大きくはありません。PICの種類によって違いますが、最大動作クロック周波数が20MHz位、プログラムを書き込むメモリーは1Kワードから4Kワード位です。
クロック周波数はプログラムを読んで命令を解釈し、処理をする速さに関係します。クロック周波数だけでは処理能力が高い低いは論じられません。処理部分の構造(アーキテクチャ)によって変わります。同じ構造であるなら、クロック周波数が高い方が処理能力は高くなります。
プログラムメモリーの容量にワードという言葉を使いましたが、1つの命令(インストラクション)を1ワードと言っています。メモリーの容量を表すのにバイトという単位を良く使います。1バイトというのは8ビットのことを表す言葉です。ビットと言うのは0か1を表す最小単位です。良く使われるPICにPIC16F84Aがありますが、この場合1つの命令は14ビットで構成されています。1Kワードをビットに換算すると 1 x 1,024 x 14 = 14,336 ビットになります。これをバイトに換算すると 14,336/(8 x 1,024) = 1.75Kバイトになります。バイトに換算する必要はないのですが、良く見慣れたバイトで感じを掴むために換算してみました。

余談ですが、メモリ容量で1Kバイト=1,024バイト、1Mバイト=1,024Kバイト、1Gバイト=1,024Mバイトです。1000倍ではありません。これは2進数の計算で2の10乗が1,024になるところからきています。




PICを使うとコンパクトな回路が作れる

PICの便利なところは演算機能部、メモリ、入出力部などが一つのICに組み込まれている点です。
性能、機能は限定されていますが、いろいろなICを組み合わせなくてもPICだけで制御部を構成できるので回路をコンパクトに作ることができます。