目次事例集






1分〜99分の任意の時間から0秒になるまで減算するタイマーを作りました。クッキングタイマーみたいなものです。クッキングタイマーほど小さくはありません。
このタイマーは、プリント板を作る際に使用する紫外線露光器のタイマーに使う目的で作りました。
プリント板のマスクを作成するためには約20分の紫外線露光が必要ですが、今まではNE555を使用したタイマーで自動的に照射が止まるようにしていました。この方法ですと、あとどの位かかるのかが分からないので、少しいらいらしながら待つことになります。そこで残り時間がデジタルで分かるようにしたかった訳です。他にも応用できると思います。
PIC16F84Aを使用してソフトウェアで制御するカウントダウンタイマーも作ってみました。そちらの方は「カウントダウン・タイマー」を参照して下さい。

回路を考えるのに以下のような機能を想定しました。(仕様)
タイマーは減算方式を使う。
減算開始(タイマースタート)はノンロックスイッチで行う。
残り時間をデジタルで表示する。
タイマー動作中はドライ接点でメーク出力をする。(無電圧接点がONになる)
0分0秒となったら動作を停止する。
1分から99分までの任意の設定ができる。
設定時に設定値が確認できる。
タイマーが動作中に設定値を変えても減算に影響しない。
タイマーが動作中に再度スタートスイッチを押しても減算に影響しない。
故意に0分の設定をした場合、減算しない。(タイマーは動作しない)
電源は+12Vと+5V。
+12Vから+5Vを作る回路も内蔵できますが、今回の作成では+12Vと+5Vを別々に入力しています。パターン図では内蔵回路で作成しています。部品を搭載していないだけです。



回路を考えた結果、部品が増えるのを避けるため以下のことを制約条件にしています。
これらは使用するのにあまり影響しないと思いましたので、わざわざ部品を増やしてまで実現する必要はないと判断しました。
ストップスイッチは設けない。

電源を切れば済むことです。



回路設計を行う際に、動作の確認および、抵抗値を決めるために部分的なバラック回路を組み立てて実験を行いました。
秒表示の10位(6進カウンタ)の動作


秒表示の10位のカウンタは 0から5までの表示とする必要があります。
使用したカウンタはそのままでは0から9まで表示しますので、0の次を5にしています。これが想定通りに動作するか?
結果:動作しました。
NE555の発振周波数を1Hzにする抵抗値、コンデンサの値


計算上ではC3=100μF、R3=1.2kΩとするとR4とVR1の合計値が6.6kΩで周波数が1Hzになります。
実測すると、R4=4.7kΩ、VR1=2kΩとして
VR1=0Ωの時  : 1分間に69パルス=1.15Hz
VR1=2kΩの時 : 1分間に52パルス=0.87Hz
になり、VR1を調整すれば1Hzの発振をさせられます。
LEDの輝度


今回、分表示用のLEDと秒表示用のLEDは大きさの違うものを使うことにしました。
LEDの種類により、同じ電流を流しても輝度が違います。実際に発光させて、輝度が同じようになるよう抵抗値を選定します。計算では求められません。