目次電子回路工作素材集±5V電源装置


±12V → ±5V 電源装置 温度測定


今回使用した3端子レギュレータによる電圧変換の場合、電力損出から見ると抵抗器で電圧を降下させたのと同じです。すなわち、3端子レギュレータ自体で相当な熱が出ると言うことです。
5Vの出力に5Ωの負荷を接続すると1Aの電流が流れます。この電流はレギュレータの入力でもほぼ同じ電流が流れます。入力電圧は12Vですので入力される電力は12 x 1 = 12Wになります。
出力電力は5 x 1 = 5Wですから、差の7Wはレギュレータで熱になります。
抵抗器による場合と違うのは出力電流が変化しても出力電圧が変化しないという点です。

実際、今回作成した回路での放熱器温度上昇を測定してみました。
測定は回路をケースに入れた状態で、熱電対型の温度測定器のプローブを放熱器に付けて時間とともに変化する温度を測定しました。



10分位経つと100℃にまで上昇します。ケースに空気穴を開けるなど放熱を考慮しないとレギュレータが壊れてしまいます。上記の温度測定をしたときのケースには底の部分と上部の蓋の部分に5mmの穴を41個づつ開けています。
LM317およびLM337の動作周囲温度の上限が+125℃ですから、今回作成したものは限界に近いことになります。使用した放熱器も最初は大きいかと思いましたが、温度測定をすると、これ以上小さいとレギュレータが壊れてしまうことになります。

ちなみに、今回使用した放熱器は以下のようなサイズです。