目次ケースの製作


プラスチック・ケースの作成方法


このページではアクリル板で簡単なケースを作る方法を説明します。






ケースの形を決める

今回作るケースはコの字形に曲げた板を組み合わせる構造のものです。




アクリル板の選択


作りたいケースに使用するアクリル板を選択します。色、厚さ、サイズを決めます。
今回の板は厚さ2mmのものを使いました。厚い板を使用する場合、曲げた時の長さの変化を考慮する必要があります。





アクリル板のカット


切断する部分に物差しを当て、アクリル・カッターで切断部を削ります。板の厚さの半分くらいまで削りますが、あまりこだわることはありません。カッターで2〜3回削り、溝ができればOKです。厚い板の場合にはもう少し回数が必要かもしれません。カッターでアクリル板が離れるまで削る必要はありません。厚さの半分位で充分です。
削るときの注意点は傷がついても良い作業台の上で行うか、アクリル板の削り終わりの部分を作業台の外側に出しておくことです。削り終わりの部分でアクリル板からカッターが外れるとカッターの刃で作業台が傷つきます。



次に削った部分を折ります。削った位置を境にして片側を机の上で押さえ、机からはみ出しているもう片方を下に押してバキッと折ります。最初は他の部分が割れてしまうのではないかと心配に思いますが、削った部分できれいに割れます。恐る恐るやるよりは、勢い良く行った方が良いです。私は失敗したことはありませんが、削り方が少ないと他の部分が割れてしまうかもしれません。




折り曲げ位置のマーキング


折り曲げる位置に紙テープを貼ります。紙テープのエッジ部分を折り曲げ位置に合わせて貼ります。紙テープの片端をマジックインクで染めておいた方が位置を間違えないと思います。
写真のものはそのようにはしていません。赤い線は穴を開ける目印に付けたものです。





穴開け


部品を取り付けたり、コードを通したりする穴の位置が決められる場合には、板を折り曲げる前に穴を開けます。曲げた後でも開けられますが、板状の時に開けた方が楽です。





アクリル板の折り曲げ


折り曲げ装置の発熱部にアクリル板の折り曲げる部分を当てます。指で下方に少し押しながらアクリル板が柔らかくなるのを待ちます。



20〜30度の角度に曲げることができたら、折り曲げ装置から一度離します。曲げた部分が元に戻らないように手で押さえながら冷えるのを待ちます。
紙テープを剥がします。曲げる位置は既に決まったので、テープは不要です。紙テープの粘着剤は温度が高いと柔らかくなり、剥がしてもアクリル板に付いています。紙テープの粘着部を利用してきれいに取り除きます。



アクリル板を裏返して折り曲がった山側を発熱部に当てて柔らかくします。手で押さえながら、柔らかさを確認します。柔らかくなったら、必要な角度に曲げます。アクリル板は直ぐには冷えませんから、必要な角度に調整する時には発熱部から離して問題はありません。むしろ、長時間発熱部に当てていると、曲げる部分を中心に他の部分も柔らかくなってしまいます。



今回の場合もケースの側部を平らにするために折り曲げ部が柔らかいうちに平らな板に側部を下にして置いて冷えるまで動かないようにします。





蓋の作成


蓋の部分も同様に曲げて作ります。
蓋の部分は、まず、片方の折り曲げ部を90度に曲げます。次にもう片方を曲げたときに本体の部分に被せて組み合わせの調整をします。
ゆがみがある場合には、折り曲げ部を再度加熱して調整をします。




蓋固定ネジ


蓋は上部から皿ネジを使って固定するようにしました。
ケースを組み合わせます。正面パネルおよび裏面パネルの上部曲がりの中央の位置の蓋に3.2mmの穴を2カ所づつ開けます。その穴を5mmのドリルで皿ネジの頭が隠れるように削ります。
次に再びケースを組み合わせ、パネルの上部に2.5mmの穴を開けます。蓋の穴と同じ位置に穴を開けます。
3mmネジのタップを使って穴に3mmのネジを切ります。アクリルは柔らかいので、慎重に開けます。


以上でアクリル・ケースが完成しました。