目次ケースの製作折り曲げ装置-2温度計


折り曲げ加工装置−2
温度計電源 回路説明



トランス回路

AC100Vの交流電圧をトランスでAC4Vに下げます。今回の回路は温度計の消費電力は小さいのでAC4V側の電流として20mAもあれば充分です。




整流回路

ダイオードブリッジを使用して交流を直流に全波整流します。整流すると直流の電圧は若干増加します。交流電圧の表示は実効値(RMS:Root Mean Squared value)という値を使用しており、最大電圧(ピーク電圧)のです。交流電圧を整流すると負荷が無い場合にはほぼ交流電圧のピーク電圧に近い電圧が直流電圧になります。そのため、整流した直流電圧は交流電圧表示より高い値になります。今回の場合+5.23Vになりました。
今回の回路ではトランスの出力電圧は4.3Vrmsなのでピーク電圧は1.41倍の6.06Vです。整流器のシリコンダイオードの電圧降下が約0.7Vですから、整流器の出力電圧は6.06V - 0.7V = 5.36V。実測値に近い値です。
整流しただけでは脈流になりますので、コンデンサによりきれいな直流電圧にします。交流電圧が0Vになった場合、コンデンサに溜まった電荷が放電され、直流の電圧を維持します。
余談ですが、なぜ、交流の電圧、電流をピーク値でなく実効値で表すのかというと電力の計算に便利だからです。抵抗器を負荷としたときの電力は以下の式で求められます。
電力(P) = 電圧の実効値(Vrms) × 電流の実効値(Irms)




LED回路

通常のLED点灯回路です。LEDに流れる電流が約10〜20mAになるように抵抗器R1の値を決めます。LEDの電圧を約2Vと考えて計算するとほぼ必要な抵抗値を計算することができます。
今回の場合電源電圧が5.2Vですから、抵抗器R1に加わる電圧は5.2−2=3.2。この抵抗器に10mA(0.01A)の電流を流すための抵抗値はR1=3.2/0.01=320Ωになります。
12Vの電源の場合は(12−2)/0.01=1KΩになります。




電圧降下用抵抗器

今回使用したLEDの順方向電圧は約1.65Vです。温度計で必要な電圧は1.5Vですので抵抗器を使用して電圧を落としています。約0.15V(10%)電圧を落とすためR2とR3の比を1:10にしています。本当は1:9にすべきですが、抵抗値が半端な値となることと、それほど厳密な電圧調整をする必要がないので、R2=330Ω、R3=3.3KΩにしました。R3と並列に温度計が接続されるので、丁度良い値になりました。